やまない雨の愛し方

「頑張りたい」は最後のウソ : 波田紗季

女無職独身29歳、夏。

平成最後の夏、私は無職独身29歳だった。

(ちなみに彼氏もいない。実家暮らし。)

 

 

分かっている。落ち着いてほしい。

救いようは無い。

 

平成最後どころの騒ぎじゃないラインナップに目がくらむ。

夏を彩りすぎだろう。

 

 

誰だって辛いことはあるだろう。

もっと大変な人だって沢山いるだろう。

 

 

しかしこれは私の中では機密にあたる。

うかつに触れられると心が折れる

 

 

 

こんなはずではなかった。

記憶の中の昔の自分に謝りたい。

 

20代後半からババア扱いされる

女性の年齢に手厳しい国に暮らしながら

30歳を目前に彼氏すらおらず独身。

 

結婚だけが悩みならまだいい。

悩みの種はいくらでもある。

 

 

仕事は?

29歳でやりたいことも特にないって何事?

特技も無いのに職を選ぶの?

29年何してたの?あとちょっとで三十路だよ?

まわりは結婚してるのに。

企業も男性も、これといった長所がないなら若い方がいいに決まってるよ?

この歳で無職で実家暮らしって親に申し訳なくないの?

 

 

ち、ちょっと落ち着いてほしい。

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誰にも言われてなくても

耳をすませば社会の常識が全身に迫り来る。

 

 

 

そんな最中、時間だけはあったので

生きづらさ

について徹底的に考えた。

 

 

私は、恵まれない人間ではない。

かれこれ1カ月働かずとも生きていられる。

親もいる。どう考えても幸せ者。

 

でも、それでも、、、。

 

釈然としない日々の息苦しさ。

辿り着いた不安の根源と

私の半生をここでこっそりお話する。

 

 

夢は与えられないが、

希望は創れるはず。

 

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平成最後の夏は

私にも平等にちゃんと、暑かった。